動詞の活用―活用の種類と識別―(4/22古初-3)


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はるばる東京は府中からどら焼きが届きました!!ありがとうございます。

このどら焼き、府中の「青木屋」というお菓子屋さんの「日々是くろどら」という製品です。東京には有名などら焼きがたくさんあるなか、こちらの品はあまり広く知られている感じではないのですが…絶品、だと思います。皮が独特なんですよ。一般的などら焼きの皮って結構しっかりしているというか、もっちりしてるのが多いんですけど、「くろどら」の皮はふわっと軽いんですよ。ん―食べたことない方に伝わるように表現するにはなかなかむつかしいんですが…「薄皮をかぶった東京ばなな」みたいなものをイメージしていただけるといいんじゃないかと。で、それが黒糖入りでほんの甘い。

んで、そのふわっふわの皮のなかにギチっと詰まってる餡子もいいんです。ふわっとした皮とは対照的に、どっしりとした存在感がありながら、それでいてしつこくない。少しだけ冷蔵庫においてから食べるのも餡子のひんやり感が楽しくておすすめです。

 

こちらのお店、リンク先の通販でも頼めますが…当日製造したものを当日店頭で売ってらっしゃるので、本当はその日のうちに食べるのが一番おいしいんです。お近くに住んでらっしゃる方はぜひ試してみてください。

いやーおいしかった。ごちそうさまでした!!

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さて…

前回は活用形の用法についてお話ししました。今回はそれを踏まえて「動詞の活用の種類及びその識別」についてお話ししましょう。

活用の種類は3+6

古文の活用の種類(四段活用とか、ラ行変格活用とか、そういうのです)は全部で9種類。口語だと5種類(五段・上一段・下一段・カ変・サ変)ですから、それに比べてもちょっと多めですね。で、この9種類を覚えるにはちょっとコツがあって…それが「基本の3活用」と「特殊な6活用」に分けて考える、ということです。

基本の3活用

基本形 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令系 活用の種類
書く カ行四段
落つ つる つれ ちよ タ行上二段
食ぶ ぶる ぶれ べよ バ行下二段

基本の3活用に属するのは「四段活用・上二段活用・下二段活用」です。「基本」というのは要するに、これらの活用に属する動詞は、「たくさんある」ということです。

例外はありますが、口語で五段活用をする動詞は文語では四段活用に(書く→書く)、上一段活用をする動詞は上二段活用に(落ちる→落つ)、下一段活用をする動詞は下二段活用に(食べる→食ぶ)」なるのが一般的です。

特殊な6活用

これに対し、特殊な6活用に属するのが「上一段活用・下一段活用・カ行変格活用・サ行変格活用・ナ行変格活用・ラ行変格活用」です。「特殊」というのはつまり、これらの活用に属する動詞が「限られている」ということです。例えば「下一段活用」。口語文法ではごくごく一般的な活用ですが、文語動詞で上一段活用をするのは「蹴る」一語のみです。

これらの特殊な6活用については、その活用表とともに、そこに属する動詞を覚えておく必要があります

上一段活用

見る みる みる みれ みよ マ行上一段

上一段活用は、特殊な6活用の中では属する動詞の数が多い活用です。ひいきにみゐ」る(贔屓に見入る)、とか「きみにゐいひ」(君に良い日)といった語呂合わせで覚えている人も多いんじゃないでしょうか。

  • きる(カ行)…着る
  • にる(ナ行)…煮る・似る
  • ひる(ハ行)…干る
  • みる(マ行)…見る・試みる(こころみる)・省みる(かへりみる)・鑑みる(かんがみる)
  • いる(ヤ行)…射る・鋳る
  • ゐる(ワ行)…居る・率る・率ゐる(ひきゐる)・用ゐる(もちゐる)

とまあ、本当は他にもいくつかあるんですけど、とりあえず語呂だけ覚えとけばOK。やってるうちにわかります。

下一段活用

蹴る ける ける けれ けよ カ行下一段

下一段活用動詞は「蹴る」(及びその複合動詞)のみ。「蹴る」の活用は

ず・たり・蹴る蹴るとき・蹴れども・蹴よ】と、口語とは全く違うものになるので要注意です。

変格活用

くる くれ

こよ

カ行変格
する すれ せよ サ行変格
死ぬ ぬる ぬれ ナ行変格
あり ラ行変格

変格活用をまとめてみていきましょう。

カ変は「」(及びその複合動詞)のみです。

サ変は「」と「おはす=いらっしゃる」

ナ変は「死ぬ」と「往ぬ(いぬ)=行く・去る」

ラ変は「あり」「をり」「はべり」「いますがり(いましがり・いますかり・いまそがりetc…)」

ラ変動詞の「あり」「をり」はほぼ同じような意味で「(人が)いる・(ものが)ある」の意、「はべり」はその丁寧語(います・あります)、「いますがり」は尊敬語(いらっしゃる・おありである)、おおむねこういう意味です。

 

見ての通り、特殊な活用をする動詞はそれほど多いわけではありません。最初はちょっと面倒かもしれませんが、全部覚えておきましょう。

 

「基本の3活用」の識別法

さて、とりあえず特殊なやつを全部覚えるとして、じゃあ残りの動詞の活用はどう見分ければ…というお話。

上で「口語で五段活用は四段・上一段活用は上二段・下一段活用は下二段」というのを述べましたが、それはあくまで「おおむね」の話。例外もありますし、そもそも口語ではほぼ使わない動詞もありますからね。下の図は各活用語尾の音素(音の単位を細かく分割したものだと思ってくださいな)のみを書きだしたものです。

未然 連用 終止 連体 已然 命令
a i u u e e
上二 i i u uru ure iyo
下二 e e u uru ure eyo

上図の通り、基本の3活用全てで違う形になる活用形は未然形と命令形です。まあなじみが深いのは未然形の方でしょうから…それぞれの動詞を未然形にしてみれば、活用の種類は判断できるというわけです。未然形にするには…とりあえず手っ取り早いのは助動詞「ず」をつけてみることですね。(もちろん「む・むず」とか「まし」とか「しむ」とか「じ」でも構いません。「す・さす」「る・らる」は四段動詞と上二段・下二段動詞でつき方が違うので避けましょうね)

「走る」なら「走らず(hashir-a-zu)」なので四段活用。「落つ」なら「落ちず(och-i-zu)」なので上二段活用、「食ぶ」なら「食べず(tab-e-zu)」なので下二段活用…こんなふうに判断できます。

 

まとめましょう

というわけで活用の種類の判断について

①まずは特殊な活用か基本の活用かの判断→特殊な活用はすべて覚えておきましょう

②基本の活用なら未然形で(「ず」をつけて)判断

ということです。単純ですね。とはいえ「ず」をつけたらどういう形になるか…というのはその都度判断しなきゃいけないので、この辺りは「言語感覚」というか、古文にどれだけ親しんでいるか、というあたりがものを言ってきます。

どうも古文の授業は退屈で…という人も多いと思うのですが、なんとなーく耳に音を通しておくだけでも、「古文ってこんな感じだよな」という感覚を磨く助けにはなります。

これなんか結構いいかも。

 


投稿者: 大森 太郎

升形国語塾の代表をやってます。

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