「逆接」のはたらき―読解手法の一例として―


【以下の内容はtwitterでの投稿をまとめたものです。】

コツさえわかれば国語は簡単…でもない

こんにちは。今日は「升形国語塾」でどういうお話をしていくか、ということを説明してみようと思います。「へ―そんな風に教えるんだ―」っていう雰囲気が伝わればいいな、と思っています。

うちでは「やり方さえわかれば、国語は簡単です。誰でも高得点が取れます」というような言い方はしませんし、そういう教え方をするつもりもありません。むしろ「以前より国語が難しくなった」と感じる人も多いんじゃないかと思います。

と、いうのも、うちの教え方の基本的なスタイルは「ここさえ見れば答えがわかる!!」っていうような短絡的なものではなくて、「考える材料を提供する」ということ、だからです。
実際のところ、さっと読んだだけで答えがわかるような問題なら、別にそれでいいんです。「読んだら大体わかるでしょ」っていう状態ですね。
だけど中には、さっと読んだだけではわからない、ピンと来ない問題も出てきますよね。そういう問題に当たった時に、「えーい大体こういう感じやろ!!」なんてあてずっぽに頼るのではなくて「ここには○○の表現があるから××に注目して読めばいいかな」っていうような、じっくり考えていくための「材料」を仕込んでおく、というのがうちの方法論です。

考えるべきことが増えれば、当然頭にかかる負荷は大きくなります。「難しい」と感じることもあるでしょう。でもその「難しさ」は、文章を読み解くためにどうしたって必要な難しさです。そこに近道はないんです。

と、言っても…個々の材料自体はそんなに難しいものではありません。語句の意味の把握・指示語の指示内容・接続詞の働き・段落の構成…そういうごくごく基本的な話です。ちょっといかに例を挙げて説明してみましょう

「逆接」のはたらき

以下の二つの表現を比べてみてください

  • A「確かに部活は大切だ。でも、勉強も頑張らなきゃね。」
  • B「確かに勉強は頑張らなきゃいけない。でも、部活も大切だよね」

この二つの表現の「違い」 お分かりでしょうか?
AもBも「部活は大切」「勉強は頑張らなきゃいけない」という二つの内容を含んでるのは一緒です。さて、これが「部活に夢中になっている我が子に対し、勉強を疎かにしないよう促す親の言葉」であるとすれば、A,Bどちらがふさわしいか。

この場合はもちろんAの方です。ここで親御さんが言いたいのは「部活ばっかりやってないでちゃんと勉強しなさい!!」ってことですよね。逆に「勉強を理由に練習を休みがちなチームメイトに対し、部活にもしっかり取り組むよう促すキャプテンの言葉」であればBでしょう。

「しかし、だが、でも、ところが」などの逆接の接続詞は、概ね前後の対立する内容をつなぎます(ここもちゃんと説明すると色々ありますが、とりあえずはそういうことで)。
そして、ここが大事なところですが、この対立する前後の内容のうち、文脈上重視されるのは後から挙げた方の内容になるんです。

逆接の後ろには注目しろ!」これは読解の上での「鉄則」です。しっかり頭に入れておきましょう。

…とはいえ、これ自体は別に難しくもなんともない話ですよね。こういう「考えてみれば当たり前のこと」っていうのを一つ一つしっかり認識して考えていく。というのが、うちで教える国語の方法論です。

基本的にチマチマしたことをチマチマ教えていく、というスタイルを目指していきたいと思います。「すげー面白い!!」っていうのじゃないけども、確かにちょっとずつ力がついていくと感じ取れるような、そういう塾にしていきたいなーと。

「でも」と「ただし」の違い

さて、もう一つだけ追加

  • C「確かに、部活は大切だ。ただし、勉強も頑張らなきゃね。」

これ、先の二つと比べてどうですかね。必ずしも後ろの方を強調している感じじゃないように思いませんか?「部活に打ち込む姿勢に理解を示しつつ、学業も怠らないよう促す担任の先生の言葉」というところでしょうか。

「ただし」という接続詞は「条件・例外などを後から付け加える」という働きを持ちます。ですのでこの接続詞がある場合、話の本筋は前の部分なんですね。

「でも」と「ただし」の違い。お分かりいただけたでしょうか。一見するとちょっとした違いに思えるかもしれませんが、こういう違いをちゃんと認識しているかどうか、というのが、文章全体の論旨を捉える力に結び付くわけです。疎かにしちゃいけません。

とまあこんな感じでやっていきます。具体的な手法の話もちょこちょこ挙げていきますので、ぜひぜひまた見に来てくださいね!

※アイキャッチ画像のクッキー、間に合えば19日の無料体験授業の際にお配りします。

 


投稿者: 大森 太郎

升形国語塾の代表をやってます。

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