毎日の授業について、その記録と振り返りのために一本ずつブログ記事を書いていこうと思います。
基本的には受講生向けに書いていきますが、塾外の方も「へーこんなことやってるんだー」という感じで読んでいただければ幸いです。
接続語について
重要なのは「文の相互関係の把握」。その手がかりとしての「接続語」ですよ。
とりあえず基本的な用語と用法については頭に入れておきましょうね。
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順接・・・あることがらを提示し、そこから生じる当然の帰結につなぐ。
だから・それで・ゆえに・したがって・すると など
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理由説明・・・結果や結論を先に示し、あとからその原因や前提についての説明を加える。
なぜなら・というのは・なんとなれば など
「順接」及び「理由説明」の接続語は原因―結果や根拠―結論の関係を作ります、しっかりチェックしておきましょう
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逆接・・・あることがらを提示したのち、それとは相反する内容を続ける。
だが・しかし・ところが など
「逆接」の接続はよく「順接」とセットにされますが、「順接の反対が逆接」という風に考えるのはあまりお勧めしません。間違い、というわけではないのですが、逆接にはもう少し広い意味があります。例えば…
私は懸命に頑張った。しかし、試合には勝てなかった。
ここには因果関係が見られます。僕は懸命に頑張ったのだから、試合に勝ててもよさそうなものだ、それなのに勝てなかった・・・という意味。ですから順接を用いて逆の結果を記述することもできます。
私は懸命に頑張った。だから、試合に勝つことができた。
というふうに。
しかし、次の例はどうでしょう。
私は試合に勝つことができた。しかし、弟は負けてしまった。
「僕が試合に勝つかどうか」と「弟が試合に勝つかどうか」の間には、(特別な事情がない限り)特に因果関係があるわけではありませんね。僕が勝ったからと言って、弟も勝つとは限らない。ですからここに順接を用いて
私は試合に勝つことができた。だから、弟も勝つことができた。
としてしまうと、ちょっとおかしなことになります。例えばここに「僕の勝利を見て自信を持てたことが弟の勝因だった」といった「特別な事情」の説明が入れば、理解可能な内容になるのですが
これなら以下のように、「順接」ではなくて「並列」を用いたほうがすんなり意味が通ります。
私は試合に勝つことができた。また、弟も勝つことができた。
というわけで「逆接」の接続語に関しては、「順接の逆だ!!」という理解ではなくて、「何らかの意味で前後の内容が『逆』になっている」くらいのざっくりした把握をしておくのがいいでしょう。
条件・例外・・・先に提示した内容の例外や条件などを付加する。
ただし・ただ など
「逆接」と「条件・例外」の関係については以前の記事に書いたものも参考にしてくださいね。
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並列・・・同質のことがらを並べる
また・および・ならびに・一方 など
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添加・・・あることがらに、同質のことがらを付け加える
さらに・加えて・そして・それに・その上 など
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選択・・・同質のことがらを並べ、そのいずれかであることを示す
又は・あるいは など
「並列」と「添加」は、意味の上では区別する必要はありませんし、また区別が困難な場合も多くあります。。「私はカレーとラーメンが好きです(並列)」でも、「カレーと、それからラーメンが好きです(添加)」でも、ほとんど違いはないですよね。
「選択」はちょっと変わってきます。「お昼にはカレーかラーメンを食べよう(選択)」と「カレーとラーメンを食べよう」の違いですね。食べ過ぎ注意です。
とはいえ・・・「並列・添加」及び「選択」の接続語には「同質のものを並べる」という共通点があります。
私はカレーとラーメンが好きです。
私はカレーとひろ子ちゃんが好きです。
上の文では「カレー」と「ラーメン」が並べられていますね。これらは「私の好きな食べ物」として「同質」であると言えます。
それに対して下の文では・・・並んでいるのは「カレー」と「ひろ子ちゃん」。確かに両方とも「私が好きなもの」には違いないのでしょうが、上の文と比べるとちょっと違和感を感じます。この場合ちょっと同質性が足りないんです。同じ好きでも「カレー」に対する気持ちと「ひろ子ちゃん」に対する気持ちではずいぶん異なるでしょう・・・異なっているはずですよね・・・是非とも異なっていてほしいものです。
とまあ、それはともかく、読解の上ではこの「同質のものを並べる」特徴が重要です。並べられているものは何と何か、それらはどのような点で同質なのか、ということをしっかり考えていきましょうね。
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まとめ・換言・説明・・・前後がおおむね同一の意味内容であることを示す
つまり・要するに・すなわち・言い換えれば など
はい、ここが今回一番大事なところですよ。大丈夫ですよね。
同一関係が見抜けるかどうかで、文章理解の難度は何倍も変わります。要注意です。
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例示・仮定・・・抽象的内容+具体例・仮定による説明
たとえば・かりに・いま など
これも「同一内容の言いかえ」の仲間と考えることもできますよ。同じことを「具体的(実体を伴って」に言うのか「抽象的(必要な要素だけを取り出して)」に語るのか、の違いです。
具体―抽象の関係、これも読解という行為を考える上で非常に重要なものですが・・・それはまた別のところで語りましょう。
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転換・・・話題を一区切りして、次の話題に移る
さて・ところで・では など
まあ、「話題が変わる」と言っても同じ文章の中ですから・・・いきなり全く脈絡のない話になってしまう・・・というのはあまりありません。ちょっと一息、くらいのニュアンスで考えましょう。
さて、他にもいろいろ書こうと思ってたのですが、思いのほか長くなってしまったので・・・今日はこの辺で終わっときましょう。(毎回これだけ書くとなると僕へのハードルも上がりますから…)受講生の皆さんは次回の授業までに「あーそういやそんな話してたなー」くらいでいいので軽く復習しといてくださいね。
それでは、また!